こんにちは。
心理カウンセラーのヤタです。
昨日、心理学講座「許しの心理学」を開催しました。
アシスタントを務めるふみちゃんと、盛り上がりながら、楽しく開催してきました。
音声アーカイブはこちら💁♂️
講座の中で、こんなお話をしたんです。
「特定の誰かを許せない…。そんなときは、他の誰のためでもなく、自分のために許していきましょう」と。
そして、その有効な手段の一つが「視点を変える」ということです。
「相手はどんな気持ちだったんだろう?」
「相手はどんな想いを抱えていたんだろう?」
そこに目を向けられるようになると、不思議なくらい簡単に、許しのマインドが手に入ります。
具体的には、
・なぜ、相手はそんなことをしたのか?
・それをせざるを得ない理由は、何だったのか?
ここに焦点を合わせていきます。
とはいえ、これだけだと、ちょっと分かりにくいですよね。
なので今日は、私自身の実体験を使って、お伝えしたいと思います。

遡ること、あれはコロナ禍の真っ最中。
GoToトラベルキャンペーン(最大50%オフ、一人最大2万円割引)という、旅行業界を救うための政府主導キャンペーンが始まりました。
旅行好きの私にとっては、まさに神キャンペーン。
迷うことなく、キャンペーン初日、東京のハイブランドホテルに宿泊予約を入れたんですね。
ずっと前から泊まりたかった、憧れのホテル。
めちゃくちゃ、楽しみだったんです。
当日。
ホテルは土曜日ということに加え、GoToの追い風もあって、館内はかなりの混雑。
ロビーには、チェックイン前にも関わらず、たくさんの人で溢れ返っていました。
私が考えた予定は、早めにチェックインして、ラウンジでお酒を飲みながら仕事を片付けて、優雅に過ごすプラン。
そんなことを考えながら、チェックイン時間の15時、満を持してフロントへ向かったんです。
ところが、フロントには長蛇の列。
やっとの思いで順番が回ってくると、スタッフから一言。
「お部屋がまだ清掃中ですので、ラウンジでお待ちいただけますでしょうか?」
カウンターを見ると、紙のクーポン券を一枚一枚数えたり、スタンプを押したりしながら、必死で対応しているスタッフの姿。
「仕方ないか…」
私はラウンジに移動して、ノートパソコンを開きました。

仕事に集中していると、時間はあっという間に過ぎて17時。
17時からはラウンジのカクテルタイム。
スタッフが予約の有無を確認しに来て、私はまだチェックインをしていなかったため、フロント横の待合室へ移動することに。
仕事や作業はまだまだ残っていたので、ここでも没頭しました。
ふと時計を見ると、18時30分。
チェックインから、すでに3時間30分が経過していました。
「あれ?まだ部屋の連絡、来ていない…」
そして、見渡してみると、待合室に溢れていた人たちが、いつの間にか消えていて、ヤタ一人ぼっち。
「これって…放置プレイってやつ?」
「さすがにヤバくない?」
不安になって、フロント横のスタッフに声をかけ、状況を確認します。
チェックインカウンターの表示を見ると、チェックイン待ちは60人。
別の待合室には20組が待機中。行列はまだまだ収まる気配がありません。
ところが、スタッフに伝えてから、30分が経過しても、何の返事もない。
時計を見ると、19時。
チェックインしてから、すでに4時間。
「いやいや、4時間待ちはヤバくない?」
「もう一度確認しないと、いつまで経っても部屋に入れないかも」
不安と焦り。
朝から何も食べていないので、お腹はペコペコ。
いよいよ、我慢の限界でした。

意を決して、フロントに向かう私。
正直に言いますね。
このとき、心の中はかなりの怒りでいっぱいで、「クレーム言ってやろう(怒)」と思っていました。
そのときです。
フロント前まで歩いていくと、明らかにスタッフとは違う身なりの男性の、フロアマネージャーらしき人物を発見。
その人物は、ヤタのいた待合室へ入っていきます。
慌てて待合室に戻ると、マネージャーは私の隣にいた夫婦と話し始めました。
聞こえてくる内容によると、その夫婦も私と同じく4時間待ち。
そして始まる、激しいクレームの嵐。

私は、隣の夫婦の話が終わった瞬間を狙って、声を上げました。
「あのー、私も15時からチェックインを待ってるんですけど、どうなってるんですか?(怒)」
怒りのクレームを、マネージャーにぶつけたんです。
マネージャーは「大変申し訳ありません。すぐに対応します」と言い残し、奥へ消えていきました。
15分後。

再登場したマネージャーは、まず隣の夫婦に、ひたすら謝罪を続けます。
夫婦
「来週も予約してるんだけど…」
「これって最低予約保証に違反してるんじゃないの?こんなに待たされて、何か補償してくれるんだよね!」
マネージャー
「誠に申し訳ありません」
「補償はちょっと致しかねまして…」
何度も謝罪の言葉を述べて、カードキーを差し出すマネージャー。
旦那さんはまだ何か言いたそうでしたが、奥さまが必死になだめて、カードキーを奪い取るようにして、立ち上がっていきました。
その光景を、真横で見ていた私。
ふと、あることに気づいたんです。
「このマネージャーさん、今日一日で、何回頭を下げたんだろう・・」
「何度「申し訳ございません」と謝罪したんだろう・・?」
ホテルマンになるくらいだから、本来はお客様の笑顔が大好きなはずなんです。
それなのに、状況のせいで、満足な接客やおもてなしができないし、自分の力では、どうにもならない。
今日のために、シミュレーションだってしただろう。
それでもオペレーションが上手く回らないのは、こういう初日にはよくあること。
おそらく、このマネージャーも、上司には怒られ、お客様にはクレームを言われ、部下に当たることもできない。
だって、見渡してみても、サボっている部下なんて、一人もいないから。
だとしたら・・。
このマネージャーは、今、どれだけのやるせない気持ちを抱えているんだろう。
言葉にできない強烈な罪悪感や思いを、どれほど感じているんだろう…?
そう想像したとき、ふっと気づいたんです。
このマネージャーに今、必要なのは、クレームや説教じゃないよね。
そして、自分の感情をぶつけて、スッキリすることも、もう望んでいない自分がいる、と。
どうせ言葉を交わすなら、
「マネージャーの、良い意味でびっくりする顔が見たい」
そう思ったんですね。
そう思った私は、必死に考えました。
このマネージャーが、思わず驚くような言葉ってなんだろう…?って。
そして、ある言葉が、ふと浮かんだんです。

マネージャーが、私の前に来て、深く頭を下げます。
マネージャー
「誠に申し訳ありません」
「せっかくお越しいただいたにも関わらず、お待たせしてしまって…」
ヤタ
「仕方ないですよね。」
「だって、急にこれだけのお客様が一気にいらっしゃったら、対応しきれないですよね」
「〇〇ホテルさん、とても人気で評判も良いですから、こうなるのも仕方ないですよ」
「理屈ではわかっていても、できないことって、ありますから」
その瞬間。
マネージャーは、ハッとして、私の顔を見たんです。
おそらく今日、待ちぼうけを食らった客から、こんな言葉をかけられたのは、初めてだったと思います。
きっと、心の中では、こう思ったはずなんです。
「ああ、この人は、俺の気持ちをわかってくれるんだ」
「そうなんだよ。本当はおもてなししたいのに、できないんだよ…」
「たくさんのお客様を笑顔にして、『また来たい』って言ってもらいたいのに、今日はそれができないんだよ」
「本当に、申し訳ない」って。
人間って、不思議です。
自分の気持ちを誰かにわかってもらえたと感じると、心がふっと軽くなる。
そしてそれと同時に、私自身の中にあった怒りやクレームの気持ちも、すーっと昇華されて、見事に消えてしまったんですね。
これが、つまり「許し」を選択した、ということなんです。
「許さなきゃ」という義務感からではなく
「マネージャーを良い意味でびっくりさせたい」
「自分自身が、良い気分でホテルを楽しみたい」
そういう、前向きな気持ちから自然と選んだ「許し」だったんです。

許しというのは、本来、自分が自分自身に戻るために選択すること。
逆に言えば、許せないときは、許さなくてもいいんです。
そして、許すということは「罪を憎んで人を憎まず」ということ。
4時間待たせたホテルのオペレーションは、もちろん良くないし、改善しなければいけない。
でも、目の前のマネージャーを責めるのは、それとはまた別問題。
その視点に立てるようになるには、こう問いかけてみてください。
「なぜ、相手はその行為をしなくてはいけなかったのか?」
「それをしなければいけなかった、本当の理由は何か?」
この視点を持てるようになると、相手を理解でき、結果として、許しやすくなっていきます。
「誰かを許したいときは、自分を許すとき」
「誰かを許せないときは、自分を許せないとき」
許しがテーマになるとき。
それは、あなたのマインドが大きく成長し、より大きな愛を選択しようとしているサインかもしれませんね。
それでは。
P.S. マネージャーとのやり取りの、その後の話

人は、自分の気持ちを理解してもらうと、相手のために何かしてあげたくなる生き物。
そのまま部屋に案内されそうになったタイミングで、私は思い切って、聞いてみたんです。
ヤタ「あのー、ずっと待ちぼうけだったので、お腹ペコペコなんですけど、ウェルカムギフトでお菓子ありますか?」
フロントでおつまみでももらえたらくらいの、軽い気持ちでした。
ところが、返ってきた言葉は、まったくの予想外だったんです。
マネージャー「あの、レストランのお席を確保しておりますので、そちらへどうぞ」
えっ、レストランって、さっき見たら満席だったけど?
それに、ホテルのレストランって、お高いんでしょ…?
でも、ご好意だし、後には引けないよね。
そう思いながら、聞いてみたんです。
「レストランでクーポン使って、支払えばいいですか?」
すると
マネージャー
「いえ、今回は私どものミスでございますので、お代は結構です」
「どうぞお楽しみください。本当に申し訳ありませんでした」
「お好きな物を、お好きな分だけ、食べて楽しんでいただければ…」
えっ?マジですか?
ということで、私はレストランで、夕食をご馳走になったのでした。笑

「許す」というのは、相手のためじゃなく、自分のために。
そして、その選択は時として、予想もしなかった、温かなギフトを運んできてくれるのかもしれませんね。
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